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役職定年後はどうなる?年収・役割・居場所の変化と、45歳から始める3つの備え
役職定年は「その日」に起きる出来事ではなく、数年前から準備できる予定表です。何が変わるかを先に知り、選択肢を持った状態で迎える。この記事はそのための整理です。
役職定年とは何か(法律上の位置づけ)
役職定年は、一定の年齢(55歳前後が多い)で管理職ポストを外れ、一般職や専門職として雇用が続く企業ごとの人事制度です。法律で定められた制度ではありません。
一方で、雇用そのものは法律で守られています。定年を65歳未満に定める企業は、65歳までの継続雇用などの雇用確保措置が義務づけられ、70歳までの就業確保措置は努力義務とされています(高年齢者雇用安定法)。つまり役職定年後も雇用は続くが、役割と処遇は変わる、というのが制度の基本形です。
制度の有無・年齢・処遇は会社ごとに異なります。就業規則と人事制度の該当箇所を、今のうちに確認してください。
役職定年後に変わる4つのこと
1. 年収
役職手当がなくなり、基本給の体系も変わることが一般的です。下がり幅は制度次第で、当サイトは一般的な数字を書きません。自社の制度で自分の年収がいくらになるかを、人事制度の資料から具体的に計算してください。住宅ローンや教育費の残り年数と重ねると、備えの緊急度が決まります。
2. 役割
決裁権と部下がなくなります。実務担当や専門職や後進の支援役など、会社が用意する役割に移ります。「何を任されるか」が事前に決まっている会社と、その場で決まる会社があります。
3. 評価と昇給
管理職の評価軸(組織の成果)から、個人の評価軸に変わります。昇給の上限が低く設定されることが多い。
4. 社内の立場
かつての部下が上司になる場合があります。ここで最も差が出るのは、役職ではなく専門性で認められていたかです。役職で仕事をしていた人ほど、役職を外れた後に居場所を失いやすい。
45歳から始める3つの備え
備え1:自分の「役職を外しても残る価値」を言語化する
「部長」という肩書を取ったとき、何が残るか。これを職務経歴書の形で書いてみてください。実績を数字で書けるなら、社内でも社外でも通用します。書けないなら、今から書ける実績を作る期間が数年あります。
備え2:市場価値を今のうちに確かめる
役職定年が来てから動くと、年齢の壁が一段高くなります。40代のうちに、転職するかどうかとは別に、市場が自分をいくらで評価するかを確かめてください。スカウト型のサービスに経歴書を置くだけで、費用をかけずに確認できます。手順は市場価値の記事に整理しています。
備え3:残る・移る・独立の3案を、数字つきで用意する
役職定年後に社内に残った場合の年収、転職した場合の想定年収、独立した場合の見込み収入。3つを同じ表に並べると、感情ではなく比較で判断できます。判断軸は役職定年と転職の記事で扱います。
よくある質問
Q. 役職定年は違法ではないのですか? 役職定年制度そのものを禁止する法律はありません。ただし、処遇の変更が就業規則に基づいていない場合や、著しく不利益な場合は争点になることがあります。個別の事情は社労士・弁護士に相談してください。
Q. 役職定年後のモチベーションはどう保てばよいですか? 役職が外れる前に「役職に依存しない仕事の価値」を持っている人ほど影響が小さい、というのが当サイトの整理です。備え1がそのまま答えになります。
Q. 制度が来る前に転職した方がよいですか? 一律には言えません。年収の下がり幅と市場価値と家計の残り負担の3つを数字で並べてから判断してください。
まとめ
- 役職定年は法律ではなく会社の制度。雇用は続くが役割と処遇が変わる
- 変わるのは年収・役割・評価・立場の4つ。自社制度で自分の数字を計算する
- 備えは「役職を外しても残る価値」の言語化、市場価値の確認、3案の数字比較
- 動くなら年齢の壁が低い40代のうちに、市場の反応を見ておく
参考にした公表資料
- 厚生労働省「高年齢者の雇用」(高年齢者雇用安定法の概要) 65歳までの雇用確保措置・70歳までの就業確保措置(努力義務)の根拠
- 厚生労働省「雇用動向調査」 年齢別の転職入職率・賃金変動の一次資料