トップ / 判断材料
40代の転職で年収が下がる理由と、下げないための4つの条件
40代の転職で年収が下がるのは、能力が落ちたからではなく、前職の年収に「会社固有の要素」が含まれていたからです。その要素を切り分けると、下げない条件が見えます。
年収が下がる3つの構造
前職の年収は、次の3つの合計です。
- 市場が払う額(職種・経験・実績に対する相場)
- 会社固有の上乗せ(年功、役職手当、企業規模による水準差)
- その会社での信用(長年の実績による裁量と評価)
転職で持ち出せるのは1だけです。2と3は会社を離れると消えます。40代は2と3の比率が大きくなりやすいため、転職直後の年収が下がる。これが構造です。
自分の年収のうち1がいくらかを知る方法は、市場価値の記事にまとめています。
下げないための4つの条件
条件1:実績が「再現できる形」で書けている
企業が払うのは、自社で再現できる成果に対してです。数字・規模・期間・変化で書けた実績は、会社固有の要素を切り離した「市場が払う額」の根拠になります。
条件2:同業・隣接業界を選ぶ
業界知識そのものが評価される場合、未経験業界より提示額が高くなります。年収維持を優先するなら、業界を変えない選択が合理的です。
条件3:企業規模と報酬体系を事前に見る
大企業から中堅企業に移ると基本給の水準が下がる一方、役職や裁量が上がることがあります。逆に、成長企業では基本給が低くても賞与や株式報酬で総額が上回る場合があります。年収の内訳(基本給・賞与・手当・株式)を比較してください。
条件4:交渉を第三者に任せる
自分で「あと100万円」と言うのは難しい。伴走型エージェントなら、企業の予算と本人の希望を突き合わせて交渉します。交渉の順序は年収交渉の記事へ。
「受けられる下限」を先に決める
提示額を見てから考えると、判断がぶれます。次の手順で下限を先に決めてください。
- 毎月の固定支出(住宅ローン、教育費、保険)を出す
- 5年後までに増える支出(大学進学など)を足す
- 貯蓄の取り崩しなしで回る年収を計算する
この金額が下限です。下限未満の提示は、役割や将来性が魅力的でも断る。下限以上なら、年収以外の条件で判断する。
年収が下がっても合理的な場合
- 役職定年や早期退職で、残った場合の年収の方が低い
- 転職先で3年後に上回る見込みが、報酬制度から具体的に読める
- 通勤・労働時間の短縮で、家計の支出が減る
「下がるから駄目」ではなく、5年の合計で比べてください。
よくある質問
Q. 年収が下がる転職は失敗ですか? 5年合計と役割で見て判断します。初年度だけで判断しないでください。
Q. 現年収を高めに伝えるべきですか? 伝えないでください。源泉徴収票の提出で判明し、信頼を失います。
まとめ
- 前職年収のうち、持ち出せるのは「市場が払う額」だけ
- 下げない条件は、再現できる実績・同業・報酬内訳の確認・交渉の委任
- 下限は提示前に家計から決める
- 下がっても5年合計で合理的な場合がある
参考にした公表資料
- 厚生労働省「雇用動向調査」 転職後の賃金変動(増加・減少・変わらない)の年齢別データはこの調査の「転職入職者の賃金変動状況」を参照