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早期退職に応じるべきか|損得を分ける5つの確認と、応じる前にやること
早期退職の募集は、たいてい回答期限が短い。だからこそ、期限内に確認すべき5点を先に決めておきます。感情ではなく数字で決める手順です。
結論:5つの確認が終わるまで返事をしない
早期退職(希望退職)に応じるかどうかは、次の5点を確認すれば判断できます。
- 割増退職金の手取り額(税引き後)
- 再就職の見込み(市場の反応を実際に見る)
- 家計の残り負担と、収入ゼロで持つ期間
- 雇用保険の離職区分(会社都合扱いになるか)
- 応じなかった場合に何が起きるか
回答期限が2〜4週間しかないことが多いため、この5点は募集が出た日から並行して進めてください。
確認1:割増退職金は「手取り」で見る
提示される金額は額面です。退職金には退職所得控除があり、勤続20年超なら「800万円+70万円×(勤続年数−20年)」が控除され、残額の2分の1が課税対象になります(国税庁 No.1420)。勤続年数の1年未満の端数は1年に切り上げられます。
計算はお金の記事に手順をまとめています。ここでは「額面ではなく手取りで判断する」ことだけ押さえてください。
確認2:再就職の見込みは「予想」ではなく「反応」で測る
「自分なら再就職できるはず」も「もう無理だ」も、どちらも予想です。募集が出たその日に、スカウト型サービスに経歴書を置き、2〜3週間の反応を見てください。費用はかかりません。期限内に企業やヘッドハンターから声がかかるかどうかは、どんな予想より確かな材料です。
並行して、管理職・専門職を扱う伴走型エージェントに面談を申し込み、「今の市場で自分に近い求人が何件あるか」を聞いてください。
確認3:収入ゼロで何か月持つか
割増退職金の手取りと貯蓄と雇用保険の見込み額を足し、毎月の支出で割ります。この月数が、再就職活動に使える猶予です。住宅ローンの残り、教育費のピークがこの期間に重なるかを見てください。
確認4:雇用保険の離職区分
希望退職への応募は、条件によって「特定受給資格者」(会社都合に近い扱い)として認められる場合があり、給付日数や給付開始時期が自己都合と異なります。ただし、該当するかどうかの最終判断はハローワークが行い、募集の条件や書類によって変わります。会社が離職票に記載する離職理由を事前に確認し、認定の見込みをハローワークに相談してください。
確認5:応じなかった場合に何が起きるか
募集要項に「対象者」「応募しなかった場合の処遇」が書かれていることがあります。配置転換や役割の変更が示唆されているなら、残った場合の年収と役割も表に入れて比べてください。
判断の型
| 状況 | 判断の方向 |
|---|---|
| 市場の反応があり、手取り+貯蓄で1年以上持つ | 応じる合理性が高い |
| 市場の反応が薄く、家計の猶予が半年未満 | 応じない、または在職中に転職活動を先行 |
| 反応はあるが猶予が短い | 応じる前に内定を取りにいく(在職中の活動) |
3つ目の「応じる前に内定」が、最も損の少ない型です。
よくある質問
Q. 応じないと不利益がありますか? 募集要項と会社の対応次第です。退職勧奨が強引な場合は労働局の相談窓口や弁護士に相談してください。
Q. 一度応じたら撤回できますか? 原則として合意後の撤回は難しい。回答前に5点の確認を終えてください。
Q. 転職エージェントに相談するのは応じてからですか? 募集が出た日からです。在職中の方が企業の評価が安定します。
まとめ
- 手取り・再就職の反応・家計の猶予・離職区分・残った場合、の5点を期限内に並行確認
- 再就職の見込みは予想ではなく、スカウト型の反応で測る
- 最も損が少ないのは「応じる前に内定を取る」型
参考にした公表資料
- 国税庁「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」 退職所得控除の計算式の根拠
- ハローワークインターネットサービス「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」 離職理由の区分。最終判断はハローワーク