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早期退職後の再就職が難しい理由|在職中に内定を取る動き方
「割増をもらってから探せばいい」で退職した人と、在職中に内定を取ってから応じた人では、結果に大きな差が出ます。難しさの正体を数字で確認してから、動く順序を決めてください。
「難しい」の正体を統計で確認する
早期退職後の再就職が難しいと言われる根拠は、感覚ではなく統計にあります。厚生労働省「令和7年雇用動向調査」によると、転職で賃金が前職より増えた人の割合と減った人の割合は、年齢階級でこう変わります(表6)。
| 年齢 | 賃金が増加 | 賃金が減少 | 増加−減少 |
|---|---|---|---|
| 40〜44歳 | 44.9% | 27.4% | +17.5pt |
| 45〜49歳 | 41.1% | 30.1% | +11.0pt |
| 50〜54歳 | 29.4% | 42.0% | −12.6pt |
| 55〜59歳 | 25.5% | 38.9% | −13.4pt |
40代までは「増えた人」が上回りますが、50代に入ると逆転し、減った人が4割を超えます。早期退職の募集は50歳前後を対象にすることが多いので、「退職してから探す」はこの逆転ゾーンで無職の状態から交渉することを意味します。
退職後に探すと不利になる3つの理由
1. 交渉の土台がなくなる
在職中なら「今の年収」が提示額の基準になります。退職後は基準が消え、企業側の提示から始まります。空白期間が延びるほど、この差は広がります。
2. 「辞めた理由」の説明が変わる
在職中の応募なら「次を見据えて動いている」と説明できます。退職後は「なぜ辞めてから探しているのか」への答えを用意する必要があり、面接の難度が一段上がります。
3. 焦りが条件判断を狂わせる
割増退職金は月々の生活費で確実に減っていきます。残高が減るほど「この提示で妥協するか」の判断が甘くなります。判断力を保つには、期限と下限を先に決めておくしかありません。
在職中に内定を取る動き方
早期退職の募集が出てから応募締切までは通常1〜3か月あります。この期間の使い方が結果を分けます。
1. 応募を決める前に、市場の反応を見る(最初の2週間)
スカウト型サービスに経歴書を登録し、どんな企業・年収帯から反応が来るかを確認します。費用はかからず、在職中でも会社に知られない設定ができます。反応がここで見えれば、「応じて転職」「応じない」の判断材料になります。
2. 伴走型エージェントに「今の市場で何件あるか」を聞く
管理職・専門職を扱うエージェントとの面談で、自分の経歴に近い求人が現在何件あるか、想定年収はいくらかを聞きます。ここが具体的なら、退職後の空白リスクを見積もれます。
3. 割増条件と内定条件を同じ表で比べる
内定または具体的な想定年収が見えた段階で、手取りの計算と合わせて比較します。「割増+転職後年収」の合計で判断するのが正しい比べ方です。
4. 応じる場合も、退職日と入社日をつなげる
内定を持って応じれば、空白期間なしで移れます。有給消化と入社日の調整はエージェント経由で交渉できます。
よくある質問
Q. 会社に転職活動を知られたくないのですが。 スカウト型サービスには特定企業に情報を見せないブロック設定があります。詳しくは在職中の転職活動の記事へ。
Q. 割増をもらって、少し休んでから探すのはだめですか? 生活費の残り月数を計算し、「何か月休むと下限提示でも受けざるを得なくなるか」を先に数字にしてください。数字を見てから決めるのは自由です。
Q. 50代でも賃金が増えた人は3割いるなら、自分もいけるのでは? 可能性はあります。ただしその3割は多くが在職中に動いた人です。順序を守ることが、その3割に入る条件だと考えてください。
まとめ
- 50代の転職は、賃金が減った人が増えた人を上回る(令和7年雇用動向調査)
- 退職後に探すと、交渉基準・説明・判断力の3点で不利になる
- 募集が出たら、応募判断の前にスカウト登録で市場の反応を見る
- 「割増+転職後年収」の合計で、内定を持ってから応じるのが最も安全
参考にした公表資料
- 厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」3 転職入職者の状況 年齢階級別の賃金変動状況(表6)の出典